ハトのフンに当たらないためにはどうするべきか
ハトのフンに当たらないためにはどうするべきか
という題名をつけましたが、テーマは表現の自由に関するものです。
最近、主にTwitterで論戦の的となっているテーマに、ラノベの表紙絵が性的に過激で不快だと子どもが指摘した、不適切な表現に簡単にアクセスできるのはダメだ云々というものがあります。
このツイートが拡散されるにつれ、女性は性的に搾取されているだのコンビニのエロ本は規制すべきだのと様々な意見が飛び交っていますが、とりあえずここでは、「見た人が不快に思う可能性のある表現に不意に出くわす」という問題についてのみ考えたいと思います。
見た人が不快に思う可能性のある表現というのは、過激なエロ画像だけでなくグロも含めて考えると、男性女性に関わらずフラットな立場で議論できると思います。
ここで大事な点の一つは、ある表現が不快なものかどうかの基準について万人が納得するものはないということです。
不適切な表現は見えないところでやれ、というゾーニングを勧める声もありますが、誰がその基準を決めるのかという問題が残るのです。
次に大きな問題点として、見たくもないのに出くわしてしまうことがあります。
私自身、不快な表現に不意に出くわした体験として、あるテレビ番組のCMが不意に流れて、見たくもない病気の患部の画像を見てしまうということや、バラエティー番組で過度にイジられる芸人を見て不快に思ったことがあります。
その場合の対処として私は、別のチャンネルに変えたり目をそらしたりといった個人的な行動をとりました。この対処を、テレビ局にクレームをいれて放送を止めさせるといった方法で他者の行動を変えようとしてしまうことが問題ではないかと思います。
また、その人にとって不快な表現物が不意に目に入るという場面は、街を歩いていたら落ちてきたハトのフンに当たったという場面に似ていると思います。
この場合の対処として、ハトを街から駆除するとかハトの飛んでこない街に引っ越すとかは非常に労力がかかるでしょう。
多くの人は、電線や軒先の下を歩くときに気を付けることを選ぶはずです。
これと同じで、不快な表現に出会いそうなところでは少し気を付けるだけで十分ではないか、と私は思います。
コンビニからエロ本を無くすのではなく、見ないようにする。
本屋のラノベコーナーだったら近付かない。
表現の受け取り手が注意を払って、自主的に選択する。そういう行動を目指すべきだと思います。